2024.10.31

ペネトレーションテストの重要性と概要

 

脆弱性診断と混同されることが多いペネトレーションテスト。

この記事では、ペネトレーションテストの概要と脆弱性診断との違い、一般的な費用感について解説していくとともに、
なぜペネトレーションテストが重要なのかご紹介します。

 

目次

  1. ペネトレーションテストとは?
     1.1 ペネトレーションテストの概要
     1.2 脆弱性診断との違い
  2. ペネトレーションテストの費用相場
  3. ペネトレーションテストの種類
     3.1 外部テスト
     3.2 内部テスト
     3.3 レッドチーム演習
  4. 費用に影響する要因
     4.1 テストの規模と複雑性
     4.2 使用ツールの違いとコスト
     4.3 診断レポートの詳細度と費用
  5. ペネトレーションテストの効果
  6. CELのペネトレーションテストサービスの特徴と費用
  7. ペネトレーションテストを選ぶ際の注意点
  8. CELの脆弱性診断・ペネトレーションテストサービスのご紹介

ペネトレーションテストとは?

 ペネトレーションテストの概要

ペネトレーションテスト(通称ペンテスト)は、実際の攻撃者が行う脅威シナリオを検証するサービスです。
システムやネットワークの脆弱性を発見し、その影響を評価するセキュリティ診断手法であり
この手法は、システム内部から攻撃シミュレーションを実施することも含みます。
攻撃者視点で脅威シナリオを検証することで、現実的な防御策を取るための情報を得ることができます。

ペネトレーションテストは、企業/事業所がサイバー攻撃に耐えられるかどうかを検証する非常に有効な方法です。
特に、セキュリティ対策が強化されていると自信を持っている場合でも、攻撃者が新しい手法を使ってその弱点を見つける可能性があるため、
定期的なテストが推奨されます。

脆弱性診断との違い

ペネトレーションテストは、脆弱性診断とは異なります。
脆弱性診断はシステムに対して自動・手動ツールを使用し、既存の脆弱性をスキャンしますが、ペネトレーションテストは、
攻撃者の視点に立ち、手動やツールを用いてシステムに対して攻撃を試み、機密情報入手などの目的を達成できるかを確認します。

このため、脆弱性診断では見つけにくいリアルな攻撃シナリオに対しての防御策検証が可能です。

ペネトレーションテストの費用相場

ペネトレーションテストの費用は、依頼する範囲や診断の深度、システムの複雑さに応じて異なります。
以下は一般的な費用相場の参考例です。

  • 中規模企業のITインフラへのペネトレーションテスト: 500万円~800万円
  • 大規模なエンタープライズ環境: 800万円以上

これらの金額は、テスト範囲、使用するツール、レポートの詳細度、またテストの頻度や繰り返し実施されるかどうかにも依存します。
セキュリティの専門性が高くなるほど、費用も増加する傾向があります。

ペネトレーションテストの種類

ペネトレーションテストは、テスターが得られる事前情報の量に応じて
「ブラックボックス」「ホワイトボックス」「グレーボックス」の3つの手法に分類されます。

ブラックボックステスト

ブラックボックステストは、テスターがシステムやネットワークに関する事前情報を一切持たずに行う手法です。
攻撃者がインターネット幼児企業システムの攻撃方法を探る視点で進められ、外部に公開されている資産(Webアプリケーションやこのテスト手法では、
情報収集から脆弱性の特定、エクスプロイト(攻撃手法の実行)まで、完全に外部からの攻撃者の視点で実施されるため、
企業がインターネット上でさらされるリスクや脆弱性をリアルな状況で認識できます。

ブラックボックステストの目的は、攻撃者が一般に公開されている情報をもとにどのようなシステムへアクセスし、
どのような脆弱性を悪用できるかを把握することにあります。
攻撃を受ける際の防御力を検証することができ、セキュリティの観点から公開システムの強化を行うことが可能です。

ホワイトボックステスト

ホワイトボックステストは、テスターがシステムの内部構造、設定情報、ソースコードなどの内部情報を十分に把握した状態で実施する手法です。
テストでは、内部の機能や構成要素に関する詳細な知識をもとにこれにより、通常のユーザーや一般的な攻撃者の視点では発見が困難なシステム内部のリスクが浮き彫りになります。

ホワイトボックスは、特にセキュリティが求められる重要なアプリケーションや複雑なシステムに関して、
内部構造に潜む脆弱性を深く掘り下げて分析するために用いられます。
セキュリティポリシーや設定に対する改善提案を行うことができるために、企業のセキュリティ体制を総合的に強化することが可能です。

グレーボックステスト

グレーボックステストは、テスターがシステムに関する部分的な情報をもとに実施する手法です。
いわば、テスト対象システムのアカウント情報やネットワーク構成に関する一部の情報が事前に提供されるケースが一般的です。
この情報を基に、攻撃シミュレーションを行い、外部から内部システムにアクセスする際の攻撃方法や内部者による攻撃のリスクを評価します。

グレーボックステストは、外部からの見通しと内部からのリスクをバランスよく評価できるため、実際の攻撃態度に最も近い形でテストが行​​われるのが特徴です。
その場合のシナリオをシミュレートすることができるため、企業内部で把握できるアカウントを利用された場合のリスクも検証可能です。

費用に影響する要因

ペネトレーションテストの費用には、さまざまな要因が影響します。ここでは、代表的な要因について説明します。

テストの規模と複雑性

ペネトレーションテストの規模と診断するシステムの複雑性は、費用に大きな影響を与えます。
システムが複雑になるほど、診断範囲が広がり、調査にかかる労力が増えるため、費用も上昇します。
例えば、複数のデータセンターや国際的なネットワークが絡む場合、費用は一気に高額になります。

使用ツールの違いとコスト

テストに使用するツールも、費用を左右する要因です。標準的な診断ツールに加えて、
手動での攻撃シミュレーションや脅威シナリオに基づく高度なツールを使用する場合、費用が増加します。
特に、ゼロデイ攻撃などの新たな攻撃手法を検証する際には、専門的なツールが必要となり、そのコストがテスト全体に反映されます。

診断レポートの詳細度と費用

ペネトレーションテストの結果を報告するレポートの詳細度も、費用に大きく関係します。
詳細なレポートには、脆弱性の技術的な説明だけでなく、修正方法や推奨対策も含まれます。
レポートがより高度で包括的なものであるほど、費用も高額になります。

ペネトレーションテストの効果

ペネトレーションテストを実施することにより、企業はサイバー攻撃に対する防御能力を向上させることができます。
特に以下の点において効果が期待できます。

  • セキュリティ意識の向上: テスト結果は、企業内部でのセキュリティ意識の向上につながり、従業員全体でのリスク管理強化が期待されます。
  • 攻撃者の視点での検証: 実際の攻撃者がどのように攻撃を仕掛けてくるかという観点からセキュリティの弱点を把握できます。
  • サイバーレジリエンス:実際に攻撃を受けた際の対応力を向上させ、被害を抑える効果があります。

CELのペネトレーションテストサービスの特徴と費用

株式会社CELは、脅威ベースのペネトレーションテスト(TLPT)や高度なレッドチーム演習を含む、柔軟な診断サービスを提供しています。

標準的なサービス内容と費用

  • TLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト): 500万円~
    TLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト)は、攻撃者の視点から実際の攻撃シナリオに基づいてシステムの脆弱性を調査する手法です。
    CELのTLPTサービスは、単なる脆弱性の発見に留まらず、リスクの大きさを具体的に示し、どの部分が攻撃の標的になるかを明確にします。
    このアプローチにより、優先的に対策すべき箇所が明確化され、効果的なセキュリティ強化が可能です。
  • レッドチーム演習: 800万円~
    レッドチーム演習は、攻撃者のリアルな行動を模倣した高度なシミュレーションテストです。
    このサービスでは、外部からの侵入だけでなく、内部からの攻撃シナリオも検証します。
    CELのレッドチームは、ネットワークやシステムの脆弱性を探索するだけでなく、内部の防御体制(ブルーチーム)の反応速度や対応能力も評価します。
  • 個別のWebアプリケーション診断: 50万円~
    Webアプリケーションのセキュリティを検証するテストです。
    セッション管理や入力データの不正処理、SQLインジェクションなどの典型的な脆弱性に加え、アプリケーションの機能に特有のリスクを洗い出します。
    特に、電子商取引サイトや顧客データを扱うシステムにとっては、重要な診断です。

CELサービスの特長

  • 柔軟なプランニング: CELでは、企業のニーズに応じた柔軟なプランを提供しています。
    診断範囲のカスタマイズや、特定の脅威シナリオに基づいたテストの追加も可能です。
    また、企業の規模や業種に合わせたサービス展開を行っているため、セキュリティの成熟度に応じた提案が可能です。
  • 高度な専門技術者による対応: CELのテストは、セキュリティエンジニアが手動で行うテストを含むため、
    脆弱性スキャンツールでは発見できない問題も捉えます。
    これにより、攻撃者の手法をリアルに再現することができ、精度の高い検証が可能です。

ペネトレーションテストを実施する際の注意点

ペネトレーションテストを依頼する際には、いくつかの要素に注意する必要があります。以下は、選定時に考慮すべきポイントです。

費用に見合った効果を得るためのポイント

ペネトレーションテストの費用は決して安価ではありませんが、その投資が実際にセキュリティ向上に繋がるかどうかが重要です。以下の要素を踏まえて、費用対効果を最大限に引き出すためのサービス選定を行いましょう。

  1. テストの範囲を明確にする
    どのシステムやサービスを対象にテストを行うのかを事前に明確にすることで、過剰なテストを避け、適正なコストで効果を得ることができます。CELでは、事前のヒアリングを徹底し、適切な範囲でのテストを提供します。
  2. テスト結果を見越した継続的なセキュリティ改善計画
    一度のペネトレーションテストだけではセキュリティレベルの向上はできません。テスト目的から結果を見据えた継続的な改善計画を実施することで、セキュリティレベルを向上させることが可能です。
    特に、攻撃手法が日々進化する現代では、定期的な診断が推奨されます。CELでは、定期的なテストプラン/改善計画のアドバイスも提供しています。

CELの脆弱性診断・ペネトレーションテストサービスのご紹介

CELでは、ペネトレーションテストだけでなく、総合的な脆弱性診断サービスも提供しています。

サービス内容の例

  • TLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト): 攻撃者の手法を模倣し、企業のシステムに対してリアルな攻撃シナリオを検証します。
    これにより、システム全体の防御体制を効果的に強化するためのアドバイスを提供します。
  • レッドチーム演習: 攻撃者と防御者の両方をシミュレートすることにより、企業の全体的なセキュリティ能力を評価します。
    演習後は、改善が必要な領域に対して詳細なレポートを提供します。
  • 各種 脆弱性診断: Webアプリケーションやインフラの特有の脆弱性を洗い出し、特にデータ漏洩や不正アクセスを防ぐための具体的な対策を提案します。

CELは、これらのサービスを通じて、企業のセキュリティ向上を全面的にサポートしています。診断内容や費用に関するご相談は、ぜひ弊社までお問い合わせください。

まとめ

ペネトレーションテストは、企業のセキュリティリスクを軽減し、攻撃者による脅威から重要なシステムを守るための重要な施策です。
その費用は決して安価ではありませんが、適切なプロバイダーを選び、必要な範囲と目的に応じたテストを実施することで、投資に見合った効果が期待できます。

CELのサービスは、柔軟なプランと高度な診断技術を備えており、企業のセキュリティ体制を強化するための最適なパートナーです。

まずはお気軽に、弊社の無料相談サービスをご利用ください。